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【公認会計士/税理士による税制講座】#10 最近のインドの配当について

最近のインドの配当について

 Q:最近インドの日系企業が株主に配当を出すケースが増えているというのは本当か?

はい、本当です。インドには現在約1,600社ほどの日系企業が進出しておりますが、中国と異なり簡単に黒字化する市場ではないため配当を実施する日系企業は少数でした。これが昨今は10年以上インドで活躍されている会社が利益を計上できるような環境になっていると感じられます。

また2020年まではインドでは配当分配税という珍しい税制がありました。これは配当を行うインド企業がインド税務当局に15%の税率で納税するという制度でした。またこの配当分配税は日印租税条約における対象ではありませんでしたので、実質2重課税となりコストであったため配当を実施する日系企業が少なったです。

これが2020年に配当分配税が廃止となったため配当で投下資本の回収を図る会社さんが増えてきたと感じております。

Q:現在はどのような配当に関する税金が発生するか?

日系企業の場合、配当は日本親会社に対して行われますので日印租税条約が適用となります。こちらの10条が適用となり源泉所得税として処理されます。すなわち、配当を行うインド子会社が配当額から10%の源泉所得税を控除した90%部分を日本親会社に配当として送金し、10%部分を源泉所得税としてインド税務当局に納税します。

更に日本では海外からの配当については95%益金不算入という制度があるため、投下資本の回収としては配当は非常に有利となっております。 

Q:その他にインドからの配当について何か留意点はあるか?

日本においても会社法において定められている回答可能額を計算して配当額を決定します。これは配当といって儲かってもいないのに配当を出して会社資産を棄損することを防止するために定められているものです。同様の規定がインド会社法においても定められておりますが、日本国会社法の配当可能額計算とは全く異なります。

まず対象会計年度の税引後純利益を基礎として一定条件下で配当可能額を計算します。税引後当期純利益額以下の配当であればこちらだけで問題ないですが、過去の利益の積立であ & Free reserve と呼ばれる剰余金から配当する場合は直近過去3年間の配当額を基礎とした配当率を計算し、当該配当率を超える配当額は配当出来ない規制となっております。よって、税引後当期純利益と Free Reserve を各々配当可能額を計算し配当額を決定する必要があります。

その他細かい点としては、2013年新会社法が制定されるまでは配当には10%の剰余金積 立が求められていましたが、現行法では積立は不要となっております。

※この情報は動画を公開した2024年9月時点の情報です。

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